日記?──6month2day

 夢を忘却した眠りから抜け出ると時刻は午前4時だった。が、空は既に少々青みがかっていたし、しっとりとした熱気があり、鳥がチュンチュンと囀ずっていた。彼らの声には凪いだ水面のような優しさがあり、それが僕に喜びを与えたのでもうすっかりまぶたの重みが取り除かれていくのが感じられた。6月だな、と僕は思った。洗顔と、最近確実に成長を遂げている愛しいパキラちゃんに霧吹きをして、専門の臨床医が書いた、興味深い本を開いたり、人気漫画ブリーチのオープニング・ソングやシンガーソングライターである美波やEveの音楽を聴いて1時間ほど時を過ごす。次第に空がいっそう輝きだしたので、海に向かった。新しい太陽による光が刻まれた幾重もの波の層は、僕の硬く閉じた心に自然に入り込み、内部で美しく霧散した。私は大海を前に肢体を大きく広げたり、住宅街では許されない声量で歌ったりした。

 バイトは朝からだった。だからといってそれが理由で4時に起きたわけではなかった。が、とにかく爽やかな気持ちで仕事をすることができた。接客をして発見した意外なことのひとつは、不良っぽい人の多くがリアクションをとってくれることだ。もちろん他所での振る舞いは知るよしもないが、店員としては大人しすぎる人や老人よりも、彼らの方が気分を良くさせてくれるということだ。今日もそのような不良っぽい人が来たりしつつ、滞りなく仕事を完了した。そうして家に帰り水を仰ぐと、僕はなんだか文章を書きたい発作に駆られ、そうして現在に至る。