目の前で大きな大きな人間が泣いている記憶がある。顔を歪めて、床にぽたりと水を垂らした。溢れた水をぐっしょりと吸収しきって水を垂らすティッシュ・ペーパーみたいだった。せっかく口から含んだ水分を目から垂らすのはなんだかもったいないように思った…
私たちは19年前、ひどく病気に罹った。大抵の人はそれを病気とは思わないらしい。だからこの病気は未だに認知されていないみたいだし、正体は分かっていないようだ。 それとは別に私たちは物心ついたときから、二つの容器の中で生きていた。大抵の人はひとつ…
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