夕の射すマンションの通路で隣室の老婆と鉢合わせをした。彼女はなにか黒い布で覆ったものを両手に抱えていて、僕に爬虫類じみた眼を向けていた。いつも小さなしわが無数に彫られた暗い顔をしていて、服は縒れ、比喩でなく異臭を放っていた。僕の目と鼻と感…
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